エヴリンと息子~『僕らの世界が交わるまで』(試写)

 ジェシー・アイゼンバーグ監督作『僕らの世界が交わるまで』を見た。

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 エヴリン(ジュリアン・ムーア)はDVシェルターを運営しており、社会奉仕活動に邁進している。息子のジギー(フィン・ウォルフハード)は配信で人気を博しているが、真面目で政治的な母親とあまりうまくいっていない。そんなジギーは政治活動に関心のあるライラ(アリーシャ・ボー)に恋をして気を惹きたいと思う一方、エヴリンはシェルターに助けを求めてきた女性の息子カイル(ビリー・ブリック)を支援しようと奔走するが…

 双方、自我が強くてなかなかうまくいかない母と息子のお話で、細かいところも含めて非常に現代的でありそうな内容だと思った。とくにジギーが良かれと思ってやったことでライラを怒らせてしまうのは、いやまあ多少政治的なことに関心があればそうなるだろ…と思いつつ、ジギーみたいな性格だと気付かないんだろうなーとも思う。ちょっとチャラいジギーが政治的な女の子に恋をしてカッコつけようと…というのは『弟は僕のヒーロー』に似ているし、母と息子がなかなかうまくいかなくて…というのは『フローラとマックス』に似ているのだが、エヴリンという女性と子どもがなかなかうまくいかないという話じたいは『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』と同じじゃん!という気もするので、実はこの話は『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』のパラレルユニバースの話なのでは…と勝手に思って楽しんでいた。