渡り鳥の生態とかはけっこう無視したコミカルなアニメ~『FLY!/フライ!』

 『FLY!/フライ!』を見た。

www.youtube.com

 心配性のお父さんであるマック(クメイル・ナンジアニ)のせいで渡り鳥なのに渡りをしたことがない一家が初めてジャマイカに移動するというお話である。渡り鳥の生態とかはけっこう無視していると思われ、イルミネーションらしいコミカルな展開のちょっと現実離れしたアニメだ。お父さんのマックが初めて冒険をして成長する様子に重点を置いている一方、お母さんのパム(エリザベス・バンクス)は頼りがいのあるタイプで、ヘンなお父さんとしっかり者のお母さんが出てくる典型的なアメリカのご家族コメディだと思う。

 この映画では悪役がカモ料理を得意とするシェフである。カモ農場(フォアグラ農家?)が何も知らないカモたちを肥育しており、騙されたカモたちが食べられそうになるという展開がある。子ども向けのアニメ映画なのでデフォルメされており、カモたちはパラダイスみたいな環境で太らされているのだが、ナイフを振り回すシェフはけっこう怖くて、ちょっと動物の権利を意識しているのかもと思った。イルミネーションはあまり政治的な内容の話を作るスタジオではないと思うのだが、同じくあんまり政治的ではない『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー VOLUME 3』でも動物の権利に関するくだりがあったので、最近は関心が高まっているのかな…と思う。