よくできてはいるが、精神病院の使い方がちょっと…Oddity(ネタバレ)

 アイルランドのホラー映画Oddityを見た。

 

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 舞台はコークの郊外あたりである。精神科医テッド(グウィリム・リー)と妻ダニ(キャロライン・ブラッケン)は人里離れた場所にある大きな家に住んでいたが、ある夜、ダニが屋敷で殺害されているのが見つかる。テッドが働いている病院の患者だった人物の仕業だとされたが、その人物も死亡してしまう。ダニの双子の姉妹で目が見えない霊媒であるダーシー(ブラッケンの1人2役)はテッドの家を訪問することにするが…

 

 あんまりお金がかかっていないと思われるホラー映画で、ミステリ仕立てでもあり、展開はけっこうよくできている。小道具として使われる不気味な人形が、最初はこんなに大げさな小道具が必要なのか…?と思っていたものの、だんだんちゃんとお話に絡んでくる。少々フォークホラー風味なところもいいのだが、全体的に精神病院の描き方があまりにもネガティブなのが気になった。「精神科医が一番危険だよね!」みたいなオチではあるのだが、精神病院に入院している患者や、精神疾患の病歴がある人はたやすく他人にそそのかされるし、暴力も振るう…みたいな描き方に見えかねないところがあり、さらにやや強引なプロットがそれによって正当化されているところがある気がしたのであまりいただけないと思った。