北極ではコードネーム「レッド・ワン」ことサンタクロース(J・K・シモンズ)のチームがクリスマスの準備に勤しんでいた。サンタの警備担当チーフであるカラム(ドウェイン・ジョンソン)は子どもたちに尽くすことについては生き甲斐を感じていたが、だんだん人間性に幻滅しはじめて今年いっぱいでの退職を申し出る。ところがサンタがクリスマスを目前にして突然誘拐されてしまった。サンタの存在を信じていない賞金稼ぎジャック(クリス・エヴァンズ)が事情をよく理解しないうちにサンタ誘拐のキーとなる末端業務を受注していたことがわかり、カラムは強引にジャックを巻き添えにしてサンタの行方を捜すが…
極めてゆるい感じのクリスマスアクションコメディである。そもそも受注元がわかって以降は足手まといになりそうなジャックをわざわざ連れていかなくていいのでは…とか、出オチみたいな単純な設定にしては入り組んだ話にしすぎで長すぎでは…とか、ツッコミどころはたくさんある。ただ、いつもは怖いJ・K・シモンズ演じるサンタがロック様の監督のもとで筋トレをするとか、トナカイのソリが爆走するとか、見ているだけで楽しい場面がいっぱいあるので飽きさせない。メチャクチャいい加減な詐欺師みたいな男を楽しそうに演じるクリス・エヴァンズとか、『ゲーム・オブ・スローンズ』のトアマンド役だったクリストファー・ヒヴュがこれまた楽しそうに演じているクランプスとか、キャストもみんなリラックスしている感じなのがいい。面白おかしくかわいらしい内容にちょっとばかり過剰なアクションが組み込まれた、楽しいホリデー映画である。