『gaku-GAY-kai 2021贋作・終わりよければすべてよし』(第一部のみ)を見てきた。
このシリーズは去年初めて『十二夜』を見たのだが、相変わらず短いのにテキレジがきちんとしていて、80分弱しかないのに話の要点はすっきり押さえた上演である。舞台はフランスから新宿二丁目に変わっており、ロシリオン伯爵家は神楽坂の伯爵になっている。前作でも女装に対する偏見と解放を組み込んでいたのだが、この上演でもヘレナ(エスムラルダ)が女装であることに対してバートラム(芳賀隆宏)が偏見を持っていたり、最初はやたらに女装を蔑視していたペローレス(岸本啓孝)が最後は吹っ切れて女装になって戻ってくるなど、なかなかクィアな味付けがされている。これだけカットしているのに、イヤな性格のペローレスが懲らしめられる脇筋までちゃんと入っているのには感心した。笑うところもたくさんあるし、1年をしめくくるのにふさわしいシェイクスピア喜劇である。