意外にオシャレなアル中女~『アル中女の肖像』(試写)

 ウルリケ・オッティンガー監督『アル中女の肖像』(1978)を試写で見た。オッティンガーのベルリン三部作の一部である。

 ひたすら酒を飲む旅をすべくベルリンにやってきた「アル中女」(タベア・ブルーメンシャイン)の飲酒道中を撮ったものである。途中でホームレスらしいやはり酒好きな女性(ルッツェ)と仲良くなってちょっとイイ感じになる一方、コロスみたいな3人組がいて、飲酒の害について途中でいろいろコメントする。アル中女とホームレス女性の間柄がクィアな感じで、他の男と仲良くするとちょっと嫉妬の感情が起こって可哀想に見えるところもある。また、アル中女がかなりオシャレで、しょっちゅう泥酔してぶっ倒れたりしているわりには着ているものがおろそかになったりしないあたりが面白い。