ライブは大変良いのだが、時代も感じる~『ボブ・マーリー ラスト・ライブ・イン・ジャマイカ レゲエ・サンスプラッシュ』デジタルリマスター版(試写)

 『ボブ・マーリー ラスト・ライブ・イン・ジャマイカ レゲエ・サンスプラッシュ』デジタルリマスター版を試写で見た。1979年7月にジャマイカで開催された第2回レゲエ・サンスプラッシュの様子を撮ったコンサート映画である。ライブ映像のみならず、街の様子やレゲエの精神に関するいろいろなインタビューなども入っている。

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 とにかくボブ・マーリーのカリスマ性はすごいし、ライブはどれもかっこいいし、インタビューなどから背景も理解できる作品なのだが、一方でけっこう時代を感じるな…と思うところがあった。とにかくインタビューを受けるのもライブで大写しになるのも街の場面で映るのも男性ばかりで、女性は多少バックコーラスが映るとか、インタビュアーで少々出てくるとかその程度で圧倒的に少ない。別にロックとかでもこの時代はそうだったのでレゲエだけがとくに性差別的だというわけではないと思うのだが、今この時代のライブを題材に音楽ドキュメンタリーを作るのであれば『リバイバル69 ~伝説のロックフェス』みたいに男性メインであっても少し女性スタッフについても取材するとかそういうことをすると思うので、1980年頃はこれでよいとみんな思っていたし、これが当然だったのだろうな…と、ある種の史料として面白いと思ってしまった。