さてさてさてさてやってきたぞ、ビートルズ・ストーリー博物館!
ビートルズ・ストーリーはアルバート・ドックとピアヘッドの二箇所に分かれたビートルズ博物館で、かなり規模の大きいものである。まずはアルバート・ドックのほうに行き、ビートルズ結成から解散までの歴史に関する展示を見る。
これは「マージー・ビート」誌の編集室を再現したもの。
キャヴァーンクラブの脇の通りの再現。キャヴァーンは酒を出さないので、バンドは近くのGrapesというパブをたまり場にして飲んでいたらしい。
60年代はじめのキャヴァーンを再現したもの。悪臭漂うクラブだったが、ファンはいったん入ったら12時間くらいクラブで演奏をきいたりしていたそうだ。
ジョージ・マーティンがピーター・セラーズやスパイク・ミリガンと仕事してた頃の写真。マーティンはもともとはコメディを得意としてたそうで、あらゆる会社から断られまくっていたビートルズのユーモアのセンスが気に入ったそうだ。
ビートルズが初めて録音にやってきた頃の話をイヤホンガイドでききながらアビーロードスタジオ内装の再現を見る。
ビートルマニアの時代。
ビートルズがアメリカ上陸した頃の飛行機の座席を模したもの。正面のパネルには報道カメラのフラッシュを模したライトがあって、ビートルズが多数の報道陣に追われていたことを解説する文章もある。ここに座ってビートルズ気分になりながらアメリカ公演についての非常に詳細なイヤホン解説をきくことができる。
サージェントペパー。
イエローサブマリン。
ジョン・レノンの著述活動に関する展示。
ロシアにおけるビートルズ人気についての特設展示。ロシアではもちろんビートルズは流通していなかったのだが、情報が解禁されるとロシアの音楽ファンたちはむさぼるようにビートルズの音楽にとびついたらしい。(前からそうだが、こういう話をきくと私はこういう見解には全く同意できないなと思う。)
イマジンの部屋。
ジョージのブース。
子供向けのアクティヴィティコーナー。
ショップ。
展示はすごく充実しており、とくにイヤホンガイドが詳細でよかった。ただ、なんとこの建物に入っているカフェはただのスターバックス…ビートルズの写真がはってあったりはするのだが、そんなんでいいのかよ…地元の店入れろよな…
さて、次はピアヘッドの博物館へ。階段にもいちいち曲名がかいてあるという凝った作り。
映像ブースの脇の待合室にパロディポスターが。
まずは4D(?)映像ブースというのでなんか子供向けのビートルズアニメみたいなのを見たのだが、これはほんと子供だましっていうか、ビートルズの曲をふんだんに使ってるんだけどストーリーはビートルズと関係なくてとくに面白いというわけではなかった。でも子供向けの展示をちゃんと作っているのはさすがだなぁと思う。全体的にリヴァプールの博物館は子供を連れてくることを前提にしてて、マージーサードが世界に誇る文化を未来の消費者やクリエイターに継承させようとする意図が見える。
それからポール・ベリフのビートルズ写真展を見たのだが、これは初期ビートルズの貴重な写真がたくさん展示されていて良かった。ベリフは今ではプロのカメラマン及びドキュメンタリー製作者であるらしいのだが、少年時代にカメラ小僧として特別にビートルズの写真をとらせてもらったらしい。ファンの少年相手ということで、かなりリラックスしたビートルズの親密かつくだけた雰囲気がよく写真に出ている。
最後にElvis & Usという、エルヴィス・プレスリーとビートルズの関わりをテーマにした特設展を見たのだが、これがかなり本格的にエルヴィスの史料をアメリカから借りてきていて非常に気合いの入ったものだった。エルヴィスの音楽的バックグラウンドや生い立ちから始まり、UKでどのようにエルヴィスの音楽が広がったか、エルヴィスとビートルズが初めて対面した時の様子、エルヴィスの長きにわたる音楽界への影響などを多数の映像・物品・インタビュー音声資料で解説するというもの。この展示もイヤホンガイドがつくのだが、これはイヤホンガイドのボタンを押すとそのブースで放映しているビデオの音声をイヤホンが拾うというもので、伝統的なラジオとかと似た方式だと思うので自動で音を拾うデヴィッド・ボウイ展よりは若干ローテクだと思うのだが、それでも最近こういう音声を拾わせる展示がはやってるんだなぁと思った。
と、いうわけでビートルズ・ストーリーはとにかくいろいろ充実している。いくつも展示があって見るのに相当時間がかかるが、非常におすすめ。