小部屋に出没する亡霊たち~しあわせ学級崩壊『ハムレット』

 しあわせ学級崩壊『ハムレット』を見てきた。構成は去年の『ロミオとジュリエット』同様、音楽スタジオの小部屋で大音量の音楽にあわせて、シンプルな衣装を着た役者がかなり刈り込んだ『ハムレット』(1時間くらい)を上演する、というかポエトリーリーディングに近いような形で朗唱するものである。お客は立ち見である。

 

 前回の『ロミオとジュリエット』よりも動きが多くて工夫されているように思えた(お客を先王の亡霊などに見立てるところがあり、私も亡霊になった)。ただ、せっかくスタジオに鏡があるので、ポローニアスを殺すところとかは鏡をもっと使ってもいいのではと思った。前半30分くらいは刈り込んでるだけでふつうの『ハムレット』と同じような展開で進むのだが、終盤になるとちょっと付け加えられた台詞があったり、前の場面の台詞のフラッシュバックがあったりして、とくにポローニアスとオフィーリアまで亡霊になって戻ってきて、ハムレットを責めさいなむというような演出があるのはちょっと怖かった。最後はフェンシングの試合と劇中劇が交錯するみたいな終わり方になるのだが、ちょっとばたばたしているように思えたので、もう少し整理してもいいかもしれない。