ハムレットが内向的にすぎる気がする~西荻窪芸術センター『ハムレット』(配信)

 西荻窪芸術センター『ハムレット』を配信で見た。大久保美智子演出で、池袋シアターグリーンで12月26日に上演されたものの映像である。

hamlet.tokyo

 台本がQ1ベースだとかいうことでわりと短くなっている(ただしQ1にないセリフもある)。ハムレットは女優(塚瀬香名子)が演じており、学生服だが最後は化粧をしているなど、わりとフェミニンなハムレットである一方、ポローニアスの子どもたちは和服である。劇中劇は三味線にあわせた浄瑠璃みたいな芝居になっている。ちょっと書生の劇みたいな雰囲気はこの間見た『ロメオ、エンド、ジュリエット』を思い出した。

 ただ、全体的にあまりにもハムレットが内向的にすぎる気がした。序盤では舞台の中央にベッドがあるのだが、王と王妃がそこに座っているのをハムレットが双眼鏡でのぞいているという演出があり、ずいぶんとネクラなハムレットである。さらにホレイシオがiPhoneのSiriで、ハムレットはずーっと死の直前までSiriと話している。全体的にあんまり対人コミュニケーションができていないようなハムレットで、私はこういうキャラクターのハムレットはあまり好みではないと思った。

 あと、これは録音のバランスだと思うのだが、音声が急に大きくなったり小さくなったりする時がある。どういうわけだか役者が立ってしゃべっている時は音声がよく聞こえるのに、ハムレットが前方に座っている時などで妙に音が聞こえにくくなるところがある。マイクの位置かな…?