華やかで現代風な上演~ウィーン国立歌劇場『ロミオとジュリエット』(配信)

 ウィーン国立歌劇場のオペラ『ロミオとジュリエット』を配信で見た。指揮者はプラシド・ドミンゴ、演出家はユルゲン・フリムで、2017年に上演されたものである。

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 非常に現代的で華やかな演出である。ジュリエット(アイダ・ガリフッリーナ)はスリムなパンツをはいているし、マキューシオ(ガブリエル・ベルムデス)はなんかアベンジャーズっぽいTシャツを着ている。ただ、何しろグノーの音楽がめちゃめちゃドラマティックなので、現代的とは言っても完全にリアル方向に寄せることはできず、パーティの場面では鮮やかなライトの中、ちょっとルネサンスに寄せたファンシードレスを着た人々が行き交うし、あとやたら上から紙吹雪が舞ってくる(紙吹雪はちょっと使いすぎの気もした)。半月のような形の光る台にのったジュリエットが恋心を歌うところはかなりロマンティックで、やはり前に見たMETのもの同様、この演目だと星とか光などをモチーフにした美術になるのかなと思った。ロミオ(ファン・ディエゴ・フローレス)とジュリエットの息もよくあっているし、色鮮やかで豪華なプロダクションである。