『テルマ&ルイーズ』4K

 『テルマ&ルイーズ』4Kを見てきた(4Kと銘打っているが2Kらしい)。久しぶりに見直して、相変わらず何度見ても凄い映画だし、アメリカの風景を大画面で見られるのは大変良かった。また、今見るとけっこう1990年代と現代の違いが感じられた。たとえばルイーズ(スーザン・サランドン)は中年のウェイトレスで6700ドル貯金があって週末はバカンスに行ける程度の余裕があるのだが、今だと中年女性のウェイトレスはもっと貧しくなっていしまっているのでは…と思う。あと、バーでお酒をテーブルに置いたままダンスに行く描写があったり(現代の女性はあんまりこれをやらないように気をつけている人が多いと思う)、運転中に飲酒していたり(現代の映画だと運転中に飲酒する人は大騒ぎするアホかアルコール依存症の記号というのがほとんどで、ヒーローだろうが悪役だろうが賢い人は飲まないだろうと思う)、2020年代の映画と酒の描写がだいぶ違う。

 また、ルイーズとジミー(マイケル・マドセン)の中年のロマンスがけっこうちゃんと描かれているし、アメリカン・ニューシネマの陰を背負ったまま警察で働き始めたみたいなハル(バーヴィ・カイテル)は何度見ても大変素晴らしい男性キャラクターである。JD(ブラッド・ピット)も悪党だが良いキャラではある。公開当時は男性をひどく描きすぎているとか言われたらしいが、隔世の感ありだ。

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