『スペルマゲドン 精なる大冒険』を試写で見た。ノルウェーのアニメ映画である。
イェンスはかねてから恋していたリサとサマーキャンプで初めてセックスをする。一方、イェンスの体の中ではシメンとカミラをはじめとする精子たちが射精の瞬間を待ちわびていた。ところが企業家精子が作り出した秘密兵器精子が強引に他の精子の邪魔をし…
最初から最後までとんでもない下ネタばかりで、しかもリサがちゃんと避妊をしているのに悪役の秘密兵器精子が暴れ回るせいで結局リサが妊娠してしまい、これは「ダメ、絶対!」みたいに若者にセックスしないように言うしょうもないオチの映画なのか…と思いきや、さすが北欧の映画だけあって最後は全然違う方向になる。産婦人科で女性医師がふたりに経口中絶薬ののみ方を教えながら、命を作るのは素晴らしいが若者にはちゃんとした家族計画が必要だ…みたいな極めてまっとうな性教育ソングを歌い、イェンスはリサに苦労をかけたことに良心の呵責を感じて中絶薬が効くまで一緒に映画を見ようと持ちかけるという、うっかり妊娠してしまった若いカップルをめぐる運命としては極めてほほえましく優しい終わり方になる。中絶をネガティブに描いていないし、若者同士が性交渉を持つことも当たり前のこととして受け入れて、セックスは悪いことではないがとにかくお互いの体を思いやってじっくり関係を築くことが一番大事なのであるというような価値観を提示している。そうは見えないが、健全な包括的性教育の精神にもとづく映画である。