DULL-COLORED POP『マクベス』

 DULL-COLORED POP『マクベス』を見てきた。ものすごく面白かったのだが、これは紙媒体に劇評を書くかもしれないので、メモだけにしておく。

  • とにかく政治諷刺が強烈な現代的な舞台である。途中までは「なんでマクベスはこんなしゃべり方なんだ…?」と思って見ていたのだが、理由に気づいた時は変な声出そうになった。
  • 笑えるところがけっこうあると思うのだが、笑っているのは私だけだった時のほうが多い。
  • マクベス夫妻は安倍首相夫妻だった。ただし、超自然にはまっているのは夫のほうで、病気になるのは妻のほうである。
  • 宴会は桜を見る会である。観客にグラスを配って懐柔作戦(?)をしているし、ちゃんと反社会的勢力(暗殺者とか幽霊とか)も出席している。
  • 魔女がバーレスクだ!!と思ったら、なんと演出家の谷さんが私の著書を読んでヒントにしていたそうで…びっくりした。光栄すぎる。
  • ふつう、マクベスロリー・キニアとかジェイムズ・マカヴォイとかがやる役で、まあ弱気だったり不安だったりするところはあるにせよ、ある程度カリスマのあるキャラクターだと思うのだが、このマクベスは全くそういうのがなくてそこらへんの勤め人である。それがすごくいいと思ったのだが、これは好き嫌いが分かれそうだ。
  • もうひとつ好き嫌いが分かれそうなのが、まったくヤクザ風味や中世風味のない、現代的でどちらかというと冷たい感じの美術とか設定だ。『マクベス』にヤクザの抗争的な味わいを求めている人には面白くないかもしれない。