イモジェン中心の『シンベリン』~ブラックフライアーズ劇場『イモジェン』(配信)

 ブラックフライアーズ劇場が配信している『イモジェン』を見た。ヴァネッサ・モロスコ演出で、有料の限定配信である。

americanshakespearecenter.com

 『シンベリン』について、この作品はタイトルロールが主役ではない芝居でイモジェンが主人公だから改名したということらしい。2016年にマシュー・ダンスターが『シンベリン』の改作『イモジェン』というのを上演しており、このプロダクションもダンスターのプロダクションもピザーニオを女性のピザーニアを変えているので、何か影響関係があるのかもしれないが、そういうことはウェブサイトには書かれていなかった。

 完全に現代の設定である。ドレスを着た王妃(ミア・ワーガフト)は今の時代の政治家に見えるし、イモジェン(マデリン・カレ)も現代女性だ。タイトルどおりヒロインであるイモジェンを強調した演出で、イモジェンとピザーニア(アンドレア・ベラモア)の交流なども細やかに描かれている。Midsummer 90のボトム役だったトファー・エンブリーがバカ息子のクロテン役で笑わせてくれる。音楽はMidsummer 90同様ふんだんに使われている。

 なお、撮影と録音のクオリティはMidsummer 90同様よろしくない。これは本当になんとかしてほしい。