予告がネタバレしすぎでは…?『ペナルティループ』(試写、ネタバレあり)

 『ペナルティループ』を試写で見た。

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 岩森(若葉竜也)が溝口(伊勢谷友介)という男を殺す1日がひたすら毎日繰り返されるというループものなのだが、それが途中でどうも溝口は岩森の恋人を殺害しており、その復讐として岩森は溝口に毎日復讐するプログラムに同意したらしいことがわかる。毎日ちょっとずつ違う殺し方で、2人の関係がどんどん変化したりして、序盤はちょっと暴力的な復讐スリラーという感じだが、終盤はダークコメディっぽくなっていく。一応最後にループが終わり、オチもある。

 ループものとしては発想はけっこう面白いと思うのだが、どうも設定が個人的にピンとこなかった…というか、そもそも恋人の恨みを晴らすのに何度もループで犯人を殺害するというのが、設定としては面白いものの別にそんなことやりたい人いるかな…という気がしてちょっと強引というかアクロバティックすぎる気がした(1回殺すならともかく、毎日繰り返すのってそんなに意味があるのか?)。途中で岩森がもうやりたくないとか言い出すのだが、当たり前だろ…と思ってしまった(ただ、ここはちょっとダークなユーモアなんだと思う)。また、殺された恋人である砂原(山下リオ)が基本的に男性の記憶の中にだけ存在する女性で、全然主体性がないキャラクターであるのは少し気になった。

 なお、この種の話は見ていて意外性があったほうがいいと思うのだが、ポスターや予告がちょっとネタバレしすぎている気がする。もう少し基本的な設定を伏せて、なんでループが発生しているのか全くわからないような状態で見たほうが面白いような気がした。