新刊『学校では教えてくれないシェイクスピア』 をよろしくお願い申し上げます。

『エイリアン』(Alien)のパロディ劇~『アイリーン』(Aileen)

 エマ・ムーハン作・出演、ガートルード・モンゴメリ演出のひとり芝居『アイリーン』(Aileen)を見てきた。1979年の映画『エイリアン』(Alien)のパロディで、エレンならぬアイリーン・リプリーが、高価な宇宙船が破壊されたことに関する事故の報告のような形でノストロモ号で起こったことを解説・再現するという内容である。原作は真面目なホラーだが、この芝居はなんかダークなオフィスコメディみたいな感じで、宇宙船内の職場環境があまりよろしくないことなどが描かれている。映画では非常に冷静だったリプリーが内心は焦っていたりオロオロしていたりする様子がモノローグで語られ、そんなリプリーが覚悟を決めると必ず決めポーズとともに「リプリー~♪」という音楽が流れるのだが、これがなかなか笑える。妙なアイルランドネタもたくさんあり、アッシュはコークアクセントで話すので「コークアクセントのロボットは絶対信用できない!」みたいな台詞があったりする。面白おかしいところがたくさんあるのだが、たぶん『エイリアン』を見ていないとほぼわからない…というか、チェストバスターが出てくるところはひとりで自分の腕を使ってチェストバスターを模した芝居しており、映画との落差がおかしい、というようなジョークになっていて、その種の笑いが多い。