新刊『学校では教えてくれないシェイクスピア』 をよろしくお願い申し上げます。

世界のどこでも映画が好きな子どもはいる~『今日からぼくが村の映画館』(試写)

 セサル・ガリンド監督『今日からぼくが村の映画館』を試写で見た。

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 舞台はペルー、アンデスの田舎にある小さな村である。たまたま映画の広告を見かけた少年シストゥ(ビクトル・アクリオ)は町にある席の移動映画館に夢中になり、みんなに見た映画の内容を話す活動を始めるようになる。ところがこの楽しい映画生活は長く続かず…

 『ニュー・シネマ・パラダイス』とか『エンドロールのつづき』などに似た、子どもが映画館と映画に夢中になって…という展開のお話で、世界のどこでも映画が好きな子どもはいるんだ!と、小さい頃から映画が好きだった人間としては我が意を得たりと思ってしまうような映画である。シストゥが暮らしているところはものすごく映画へのアクセスが悪いのだが、それでもどうにか映画にアクセスして、さらにはそれを周りの人にも広めようとするシストゥの行動力がすごいし、人にそういうことをさせる映画というメディアの力も感じる。そしてこれは一種の政治的アクティヴィズムでもある…というか、村の外に違う世界が広がっているということを知らせるのは文化活動だが、ある種の政治的活動につながるものでもあるんじゃないかな…と考えながら見ていた。そしてたぶんシストゥは将来、映画を求めてこの村を出て行くんじゃないかな…という厳しい未来についても考えてしまう。心温まるユーモアもあるお話だが、裏にシビアな現実があるお話でもある。