『芸術新潮』3月号に『COUNT ME IN 魂のリズム』のレビューを書きました

『芸術新潮』3月号に『COUNT ME IN 魂のリズム』のレビューを書きました。内容は「なんでロックのドラムの歴史に関するドキュメンタリー映画なのにラッシュのニールが出ていないのか」についてです。 芸術新潮 2024年3月号 作者:芸術新潮編集部 新潮社 Amazon

現実離れした楽しいダンス映画と思ったら…『ストリートダンサー』(試写、ネタバレあり)

レモ・デスーザ監督『ストリートダンサー』を試写で見た。こちらの映画はもともと「ABCD」というダンス映画シリーズの続編として企画されたらしいのだが、権利関係で別の映画になったそうだ。 www.youtube.com インド映画だが、舞台はロンドンで、登場人物は…

剣の場面がいい~東京芸術劇場『マクベス』

東京芸術劇場でノゾエ征爾演出『マクベス』を見た。劇団はえぎわと彩の国さいたま芸術劇場の共同企画である。 木の椅子が床いっぱいに整然と並べられているステージでの上演である。灰色が基調で四角いマークが入った独特の衣装が使われている。魔女役の役者…

『新コンセプト 現代の国語』に『批評の教室』がのりました

浜島書店の問題集『新コンセプト 現代の国語』に『批評の教室』の問題が掲載されました。 批評の教室 ──チョウのように読み、ハチのように書く (ちくま新書) 作者:北村紗衣 筑摩書房 Amazon

あまりパッとしないホラー~『ハンテッド 狩られる夜』(試写)

フランク・カルフン監督『ハンテッド 狩られる夜』を試写で見た。 www.youtube.com アリス(カミーユ・ロウ)は深夜に不倫相手とともにガソリンスタンドに寄ったところ、突然お店の中で銃撃される。店に入ってきた不倫相手も殺され、携帯電話も壊れてしまう…

eスポーツのことがよくわからなくても楽しい映画~『PLAY! 勝つとか負けるとかは、どーでもよくて』(試写、ネタバレあり)

『PLAY! 勝つとか負けるとかは、どーでもよくて』を試写で見た。 www.youtube.com 舞台は徳島の高専である。ケガでバスケットボールを諦めた達郎(鈴鹿央士)は『ロケットリーグ』というゲームの達人で、3人でチームを作って出場するeスポーツ大会への出場を…

展開は強引だが、ベテラン俳優陣の演技だけで見る価値はあり~『アバウト・ライフ 幸せの選択肢』(試写)

『アバウト・ライフ 幸せの選択肢』を試写で見た。 www.youtube.com グレース(ダイアン・キートン)とハワード(リチャード・ギア)、サム(ウィリアム・H・メイシー)とモニカ(スーザン・サランドン)はいずれもあまりうまくいっていない中年の夫婦である…

美味しそうな料理にイヤな感じ~『FEAST 狂宴』(試写)

ブリランテ・メンドーサ監督『FEAST 狂宴』を試写で見た。 www.youtube.com フィリピンの地方が舞台である。レストランを経営するリッチな一家の息子ラファエル(ココ・マーティン)は交通事故で貧しい一家の父親を死なせてしまう。ラファエルの罪をかぶって…

3月13日に福岡で書店イベントをします

3/13(水)の夜に、初めて福岡に行って「本のあるところajiro」で書店イベントをすることになりました。いつもお世話になっている書肆侃侃房の本屋さんでのイベントで、対面のみです。私が『お砂糖とスパイスと爆発的な何か』の来歴を話して、その後はひたす…

人種やクィアな側面にも切り込んだドキュメンタリー~『リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシング』(試写)

『リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシング』を試写で見た。リトル・リチャードの業績に関するドキュメンタリーである。 www.youtube.com 人種差別や黒人文化、リトル・リチャードのクィアなセクシュアリティなどにもちゃんと切り込んだドキュメンタリ…

それほど新しさはないような…『ソウルメイト』(試写)

『ソウルメイト』を試写で見た。同名の中国・香港合作映画の韓国でのリメイクである。 www.youtube.com 済州島の小学校に転校生のミソという女の子がやって来て、地元のハウンと親友になる。ミソ(キム・ダミ)はちょっと破天荒な子で、ハウン(チョン・ソニ…

イマイチなドキュメンタリー~『ROLLING STONE ブライアン・ジョーンズの生と死』

『ROLLING STONE ブライアン・ジョーンズの生と死』を見た。ローリング・ストーンズの初期メンバーで、自宅プールで急死したブライアン・ジョーンズに関するドキュメンタリーである。 www.youtube.com 全体的にけっこう音楽ドキュメンタリーとしてはイマイチ…

白人男性中心すぎないか?~『ネクスト・ゴール・ウィンズ』(試写、ネタバレあり)

タイカ・ワイティティ監督『ネクスト・ゴール・ウィンズ』を試写で見た。米領サモアの代表サッカーチームがどん底状態から浮上するまでを描いた作品で、ある程度実話に基づいている。 www.youtube.com 米領サモアの代表サッカーチームは今まで1回もゴールを…

意外とシェイクスピアネタが多い歴史ものクィアロマンス~『Firebird ファイアバード』(ネタバレあり)

『Firebird ファイアバード』を見た。 www.youtube.com 舞台は1970年代末、同性愛が非合法であったソ連支配下のエストニアのタリンに近い空軍基地である。もう少しで除隊になるセルゲイ(トム・プライアー)は、同じく写真好きである赴任してきたパイロット…

プロパガンダ映画かと思いきや、終盤はアメリカの政策批判~『コヴェナント 約束の救出』(試写、ネタバレあり)

ガイ・リッチー監督の新作『コヴェナント 約束の救出』を試写で見た。 www.youtube.com アフガニスタンに駐留している米軍軍人ジョン・キンリー(ジェイク・ジレンホール)は、タリバンの武器庫や爆弾工場を探す部隊を率いていた。現地語通訳として、頑固な…

よくできた話だが、個人的にはあまり…『落下の解剖学』(試写、ネタバレあり)

ジュスティーヌ・トリエ監督『落下の解剖学』を死者で見た。 www.youtube.com 雪深い山奥の山荘でサミュエル(サミュエル・タイス)が転落して死亡しているのが見つかる。死体に最初に気付いたのは視覚障害のある息子ダニエル(ミロ・マシャド・グラネール)…

いい芝居だが、キャスティングをもうちょっと…『やさしい猫』

劇団民藝『やさしい猫』を招待で見てきた。中島京子による小説が原作で、これはテレビドラマ化もされている。小池倫代台本、丹野郁弓演出による舞台化である。 スリランカから日本に引っ越してきた移民のクマラ(橋本潤)は、東日本大震災のボランティア活動…

芝居の出来とは別に、個人的にあまり…『テラヤマキャバレー』

日生劇場で『テラヤマキャバレー』を見てきた。池田亮台本、デイヴィッド・ルヴォー演出で、死の直前の寺山修司の意識をめぐるお話である。 寺山修司(香取慎吾)が死亡する直前の意識の中で、いろいろな役者たちが登場して寺山に名前をつけてもらうところか…

ある種のハグスプロイテーション映画~『ボーはおそれている』(試写)

アリ・アスター監督の新作『ボーはおそれている』を試写で見た。 www.youtube.com ボー(ホアキン・フェニックス)は母モナ(パティ・ルポーン)のところに帰省するつもりだったが、寝坊した上に自宅の鍵を盗まれて飛行機に乗れなくなる。その後受け取った母…

非常に苦手~『ヴェルクマイスター・ハーモニー』4Kレストア版(試写)

『ヴェルクマイスター・ハーモニー』4Kレストア版を試写で見た。長回しの多い映画で、個人的にはメチャクチャ苦手なテンポだった。タル・ベーラの映画を初めて見たのだが、起きているだけで精一杯という感じだった…ちょっとタルコフスキーに似てると思う(タ…

予告とは全然違う正攻法の歴史もの医療スリラー~『梟 フクロウ』(試写、ネタバレあり)

アン・テジン監督『梟 フクロウ』を試写で見た。 www.youtube.com 李氏朝鮮の史書に出てくる謎の不審死を元ネタとする、歴史ものの医療スリラーである。鍼の名人であるギョンス(リュ・ジンヨル)は腕を認められて宮廷で働くことになるが、そこでよくしてく…

『ジェンダー事典』に寄稿しています

丸善から出た『ジェンダー事典』の「ソーシャルメディア」の項目に寄稿しております。なぜかウィキペディアのこともここに入っております。 ジェンダー事典 作者:松本 悠子,伊藤 公雄,小玉 亮子,三成 美保 丸善出版 Amazon

けっこうな野心作~こまばアゴラ劇場『オセロー』

こまばアゴラ劇場で滋企画『オセロー』を見てきた。ニシサトシ演出による作品である。 パイプ椅子くらいしかない舞台で、登場人物は赤ジャージなど現代の衣装を着ている。小道具もハンカチ程度である。5人だけのとても小規模な舞台で、1人で複数の役を演じた…

All That Burlesque vol.11

All That Burlesque vol.11を見てきた。naspy、Ruby Rubbit、FURI RIOT、八丸、Yuli the Star★、裸のマハが出演した。前半は黒い衣装で蜘蛛女に扮した(スパイダーマンの曲も使っている)FURI RIOTがなかなか工夫があったと思う。後半はミュージカル『ムーラ…

宇宙船はやめたほうが…METライブビューイング『マルコムX』

METライブビューイング『マルコムX』を見てきた。アンソニー・デイヴィス作曲で1986年に初演された作品の再演である(ワークショップ公演みたいなのはその前にあったようだが)。カジム・アブドラ指揮、ロバート・オハラ演出によるものである。いわずとしれ…

ライブは大変良いのだが、時代も感じる~『ボブ・マーリー ラスト・ライブ・イン・ジャマイカ レゲエ・サンスプラッシュ』デジタルリマスター版(試写)

『ボブ・マーリー ラスト・ライブ・イン・ジャマイカ レゲエ・サンスプラッシュ』デジタルリマスター版を試写で見た。1979年7月にジャマイカで開催された第2回レゲエ・サンスプラッシュの様子を撮ったコンサート映画である。ライブ映像のみならず、街の様子…

いろいろ詰め込みすぎでは…『celos~緑色の目の怪物』

新宿スターフィールドでDialogue!×SHAKESPEAREの『celos~緑色の目の怪物』を見てきた。シェイクスピアのいろいろな作品をつないで作るシリーズの3作目である。 基本的には『オセロー』と『冬物語』で、それに『ハムレット』『マクベス』『夏の夜の夢』など…

すごくよくできた映画だが、2箇所だけ疑問が…『カラーパープル』(試写)

『カラーパープル』を試写で見た。アリス・ウォーカー(最近、ヤバい陰謀論とかにハマってしまって個人的には非常に悲しいのだが…)の小説のミュージカル版の映画化である。既に1985年にスピルバーグが一度映画化している(この旧作はミュージカルではない)…

物足りないところはあるがちゃんとした歴史もの映画~『ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人』(試写)

『ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人』を見た。主演のジャンヌ・デュ・バリー役のマイウェンが監督もつとめている歴史ものである。 www.youtube.com ヒロインのジャンヌ(マイウェン)は非嫡出子として生まれたが、母親の雇い主のおかげで教育を受ける…

台本がいつできあがったのか心配になるくらいの新しさ~『岸辺のベストアルバム!!』

下北沢の小劇場B1でコンプソンズ『岸辺のベストアルバム!!』をご招待で見てきた。一応、「春雨」(波多野玲奈)なる若い女性の書いたお話だという枠に入っている…という触れ込みで始まるのだが、コンプソンズのお芝居なのでだんだんこの枠についてもわけがわ…