かなり時事的な閉塞感のある芝居~別冊コンプソンズ『ビニール』(配信)

 別冊コンプソンズ『ビニール』を配信で見た。脚本・演出は座付作家ではなく外部の大谷皿屋敷(劇団「地蔵中毒」)で、コンプソンズの星野花菜里の企画だそうである。

 わりとごみごみした生活空間で展開する芝居で、テーマは宗教である。ちょっとした生き甲斐的なものを求めて宗教を作った人たちに関するブラックユーモア劇なのだが、おかしな人しか出てこなくてかなり笑うところが多い一方、全体的にとても閉塞感がある…というか、宗教というよりもオンラインサロンとか新型コロナ関係の陰謀論とか、時事的なことを思わせるようなところが多かった。ヴィジュアルはけっこう違うのだが、『TOKYO LIVING MONOLOGUES』などと共通するところがある芝居だと思う。