あまりパッとしないホラー~『ハンテッド 狩られる夜』(試写)

 フランク・カルフン監督『ハンテッド 狩られる夜』を試写で見た。

www.youtube.com

 アリス(カミーユ・ロウ)は深夜に不倫相手とともにガソリンスタンドに寄ったところ、突然お店の中で銃撃される。店に入ってきた不倫相手も殺され、携帯電話も壊れてしまう。トランシーバーで話しかけてきた相手に警察を呼ぶよう頼むが、その相手こそが銃撃犯人だとわかる。

 銃撃犯が妙に政治的なのだが、もともと保守派だった人がネットで急に何かにハマり、妻の不倫に対する憎悪で女叩きをはじめつつ反ワクチンになった…みたいな感じで、陳腐な話をひたすらトランシーバーでしているだけなので、そんなに鋭い社会諷刺になっているわけではない。また、ヒロインのアリスが妊活中で、途中で小さな女の子が巻き込まれたせいでやたら強くなるのだが、このへんの「母は強し」展開もずいぶんと定型的である。最近こういうのが少し流行っているのかもしれないが、同じような展開なら『死霊のはらわた ライジング』のほうがまだ上手にやっていたと思う。