日本アメリカ文学会東京支部例会分科会にてバーレスクについての研究発表をします

 告知ですが、6/29(土)に慶應義塾大学三田キャンパスで行われる日本アメリカ文学会東京支部例会分科会(16:00〜)にて、バーレスクに関する研究発表を行います。

ニュー・バーレスク〜21世紀における舞台芸術としてのストリップティーズ
<発表要旨>
 本発表は、大衆演芸の一ジャンルであるニュー・バーレスク分析をパフォーマンススタディーズに組み込むための基礎研究として、雑多な芸能の集積としてのニュー・バーレスクを鑑賞者としての視点から技術的特徴・歴史的背景などをもとにいくつかのサブカテゴリに分類・整理することを提案するものである。ニュー・バーレスク(New Burlesque、別称Neo-Burlesque)は、ステージで服を脱ぐストリップティーズを軸にコメディから朗読まで雑多なパフォーマンスを組み込んだショーの形態である。パフォーマーの大部分は女性であるが男性もおり、観客の性別や性的噂好、年齢も多様であるが、支持層には比較的女性が多いと言われている。女性の色気を売り物とするバーレスクは19世紀頃から発達した芸能であるが、1970年代頃からしだいに時代遅れのものと見なされるようになったため、いったんは廃れた。しかしながら演芸としてのストリップティーズを舞台に復活させようとする動きが1990年代以降北米やヨーロッパで盛んになり、現在ではメインストリームの映画やポピュラーミュージックなどにも影響を与えるようになり、学術研究も行われるようになっている。現在、ニュー・バーレスクについての研究の主要な問題意識は脱衣を伴うパフォーマンスは性の商品化とジェンダー・エンパワーメントのどちらに結びつきやすいかというものであり、ニュー・バーレスク自体の舞台芸術としての独創性やダンスの技術的側面についてはそれほど注意が払われていない。発表者はニュー・バーレスクが歴史的に様々なパフォーマンスを取り込んでいることを鑑み、サブカテゴリとなるダンスの分類やそれぞれのダンスの技術的特性などを記述することがニュー・バーレスクという芸能を総体として理解するのに役立ち、ひいてはジェンダーセクシュアリティといったこれまで議論されてきた分野においても新しい見通しを与えてくれるものなのではないかという点を論じる。

 前半は去年の論文にのっとってバーレスクの歴史について簡単に話し、後半はバーレスクによく出てくる振り付けスタイルを歴史的・技術的背景から分類・記述することを試みたらいいんでなかろうか、という話をする予定です。踊りやバーレスクにご興味ある方、是非いらして下さい。このへんのロンドンバーレスクフェスティヴァルの動画も蔵出しします。

 ↑映画『マジック・マイク』のカウボーイルーティンのオリジナルヴァージョン。監修を手伝ったゴーゴー・ハーダー本人が踊ってます。

 分科会だけだと無料で参加できるそうです。ここだけの話、アメリカ文学会東京支部は発表者・聴講者ともにかなり少ないそうなので、是非是非お気軽に参加してください。同日開催の表象文化論学会が関西でいけないよーっていう方もどうぞ!